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腋臭症かどうかの診断

腋臭症かどうかを診断するには、従来より、問診と嗅診(嗅覚による診察)を中心として行われています。

当院では初診時に問診票を記入してもらいます。そこでは、耳垢の性状や家族歴、シャツが黄ばみやすいか、家族や他人から指摘された経験の有無、臭いが気になり始めた時期、過去の治療歴などを記入していただいております。問診により得られたデータと医師による臭いチェックを総合してわきが体質かどうか、腋臭症かどうか、その重症度はどうかといったことを診断します。腋臭症かどうかは実際に臭いを嗅げば診断がつくのではないかと考える方も多いかもしれません。しかし実際は、臭いはあくまで主観で判定するしかないこと、必ずしも常に強く出ているわけではないことなどから、単純に臭いを嗅いだ印象だけで決めるわけではありません。

最近は腋臭症に対する医学的知見で進歩があり、それとともに腋臭症かどうかの診断は幾分従来より整理されてきました。

大規模な調査により、腋臭症の人のほとんどに家族歴があり、ほとんどが湿性耳垢であったことがわかっています。これらの事実により、耳垢の性状と家族歴の関係から腋臭症かどうかを診断するアルゴリズムが提唱されており、その診断アルゴリズムでは腋臭を主訴とする者で湿性耳垢がありかつ家族歴(親のいずれかが腋臭症)がある場合は腋臭症と診断することができます。逆に湿性耳垢も家族歴もない場合は腋臭症ではないということになります。ただしこのアルゴリズムでは湿性耳垢と家族歴のいずれか一方のみがあるという場合は、これらの事実のみでは腋臭症であるともないとも言えないので、その他の問診項目や嗅診の結果を加味して総合的に判断しなければなりません。私の場合は、腋臭症とわきが体質は少々異なる概念で捉えているので、湿性耳垢がありかつ家族歴がある場合はわきが体質、湿性耳垢も家族歴もない場合はわきが体質ではないという位置づけをしています。

また、最近では耳垢の性状は16番染色体にあるABCC11遺伝子の違いによって決定されることが明らかにされています。ABCC11遺伝子にコードされているタンパク質は、アポクリン腺の細胞膜に発現してアポクリン腺腔内に有機物質を輸送するトランスポーターです。このABCC11遺伝子には538番目の塩基(ヌクレオチド)が違うものが存在し(一塩基多形)、538番目の塩基がグアニンのもの(G:湿性耳垢タイプ)とアデニンに変異したもの(A:乾性耳垢タイプ)があります。遺伝子型はG/G、G/A、A/Aの3種類ですが、GがAに対して優性なので、G/GとG/Aが湿性耳垢、A/Aが乾性耳垢になります。耳垢型と腋臭症は密接に関連しているので、ABCC11遺伝子を調べることで腋臭症かどうかの診断の材料とすることができます。つまり、A/Aであればわきが体質ではないということは明確に言うことができます。G/GやG/Aであればわきが体質であるということになります。

この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

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