- Doctor blog -わきが体質と腋臭症

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わきが体質と腋臭症

「わきが体質のことを腋臭症と言うのでは?」と思った方が多いと思います。そう思うのはごもっともなのですが、私はわきが体質と腋臭症は概念的に分けて考えています。

従来より腋臭症と耳垢のタイプとの関連性は指摘されていましたが、近年耳垢タイプとそれに関係する遺伝子の存在も明らかになってきました。耳垢タイプはABCC11遺伝子の遺伝子型によって決まり、遺伝子型がG/G、G/Aであれば湿性耳垢、A/Aであれば乾性耳垢であることが判明しました。

湿性耳垢の人は、外耳道に存在するアポクリン腺分泌物によりべちょっとした耳垢になっています。アポクリン腺は外耳道以外に腋窩、乳輪、陰部などにも存在し、外耳道のアポクリン腺が発達しているということは、当然その他の部位(腋窩など)でもアポクリン腺の活動が活発であることが予想されます。ですので、湿性耳垢の人はわきがの素因を持っていることになります。わきがの素因を持っている方のことを私はわきが体質であると定義しています。つまり湿性耳垢であったり、ABCC11遺伝子の遺伝子型がG/G、G/Aである場合、「わきが体質である」ということになります。

一方、腋臭症は「わきが体質を有し、かつ腋臭により日常生活に少なからず支障を来す状態」と(私は)定義しています。もちろんわきが体質=腋臭症と定義してもいいのですが、わきが体質はあくまで体質なので、ただそれだけで治療が必要というものではありません。日常生活上の支障があって初めて治療対象となるので、その治療を検討するレベルの腋臭がある状態を腋臭症としています。

わきが体質と腋臭症の関係

さて、実際のわきが診療上において、遺伝子を調べるのはまだ一般的ではありません。結局のところ耳垢の性状をもってしてわきが体質かどうかを判断することになりますが、耳垢の性状を自己申告してもらうと一部正しく自己判定できていないことがあります。とある他施設のデータでは、自己申告では乾性耳垢としていた人のうちの2%が実は湿性耳垢、自己申告では湿性耳垢としていた人のうち10%が実は乾性耳垢であったようです。そのため耳垢タイプの自己申告のみでわきが体質であると断言はできません。自己申告で湿性耳垢(=わきが体質)だったとしても、10%くらいは乾性耳垢(=わきが体質ではない)である可能性があります。

この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

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