- Doctor blog -なぜ皮弁法を保険でやっているクリニックと自費でやっているクリニックがあるのか?

保険での腋臭治療を考えている方がインターネット等で情報を調べると、保険適応のある皮弁法(あるいは反転剪除法)であっても、保険適用で行っている施設と自費診療で行っている施設があることに気づくと思います(当院では保険適用)。これはなぜだろうと思う方も多いのではないでしょうか?
今回はこの理由について解説したいと思います。

保険適用できる条件

まず、どのような場合でも必ず健康保険適用で腋臭症手術が行えるわけではないという点を理解する必要があります。健康保険が適用される条件として、戦後に定められた基準は以下です。
「悪臭著しく他人の就業に支障を生ずる事実が明らかであって、客観的に医療を加うべき必要がある場合は(保険医療を)給付して差し支えない。軽度のものは給付外。」
つまりは、「誰もが嫌悪感を催すようなよっぽどひどいワキガだったら健康保険適用で手術をしてもいいけど、そうじゃないなら保険適用外。」ということです。この基準を厳格に適用させると、保険適用で手術を行える人っていうのは ワキガ体質の方のうちでも本来はごく一部ということになります。そうすると診療を行っていても、「あなたは大した臭いではないので保険適用外です。」と言われる患者さんが多くを占めてしまうため、そんな面倒なことなら最初から保険適用で行うことはやめてしまおうというのが理由の1つとしてあります。

病院経営上の問題

さて、皆さんは、保険で腋臭手術を行った場合の、診療点数をご存じですか?もちろん、知っている方はごく少数だと思いますので、以下に紹介します。1点=10円と置き換えてください。現在(平成31年3月時点)の診療報酬点数表には以下の通り定められています。
K008 腋臭症手術
1 皮弁法 6,870点
2 皮膚有毛部切除術 3,000点
3 その他のもの 1,660点
現在は1以外の方法で行うことは稀と思います。1で行うこととして、実際には上記の手術料(片脇分)の他に局所麻酔薬や術後の注射や内服薬などの費用が加算されるため、ざっくりと言えば片脇あたり約7万円(3割自己負担の場合は2万円強)の手術費用となります。一方でこの手術にかかる時間は30分~1時間です。病院経営上、この費用と時間が見合うと思う施設と思わない施設があると思いますが、見合わないと考えれば自費で行うということになります。

歴史的な経緯

また、皮弁法が日本で広く行われるようになったのは、昭和の終わり頃です。そして皮弁法が保険適応となったのは平成初期の頃ぐらいからです。それ以前は本当に微々たる診療報酬点数しかなかったため、歴史的に腋臭診療を自費診療で行っているクリニックが主流でした。そんな時代背景もあります。

まとめ

ワキガ治療のうち、皮弁法(反転剪除法)は健康保険適応がありますが、この方法を自費で行う施設もあります。どちらで行うかは重症度の問題や病院経営上の問題、歴史的な経緯の問題などによって、医療提供者側の裁量が認められています。

この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

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