- Doctor blog -わきが手術後の術後臭ってなに??

※このページは2019年7月25日に更新されました。


わきがの手術を決意して、手術した後はやっと辛かった症状から解放されると思っていたのに…術後臭(術後臭とは、術後に臭いを感じるもののうち、元の臭いとは違った臭いのことを意味します)があるかもしれないと思うと、とても不安になりますよね。
そもそも術後臭は本当にあるのか、それはどのようなものなのかは今のところはっきりわかっていません。私自身も、患者様に術後臭があると言われた経験は実際にありますが、そのときも他覚的にはっきりと臭いを感じたわけではありませんでした。ですが、長年わきが診療をしてきた私なりにこの「術後臭なるもの」を考察をしてみました。

まず、わきがの手術方法にもいくつか種類があります。

1つ目に、剪除法(せんじょほう)です。
日本で行われる術式の中で一般的なもので、わきの下を数センチ切開します。
汗腺を直接確認しながら切除するためとても高い確率で効果が期待できます。

2つ目に、マイクロェーバー法というものです。
脇の下に入れた小さな切れ目からアポクリン腺(臭いをもつ汗が出る腺)を削除します。
傷跡が小さく済み、術後の経過が早いのもメリットです。

3つ目に、ミラドライというものです。
皮膚に切開を入れないで治療するミラドライは、新しい治療法です。
電子レンジなどで使われているマイクロ波エネルギーを利用して、多汗症やわきがの原因となる汗腺を熱破壊します。

大きく分けて上記の3つが手術・治療の種類ですが、どの術式を選んでも術後臭を感じるという方は、稀ではありますが、出る可能性があります。
私が診察する中で、今までに術後臭がすると訴えている患者様から、実際に臭いを感じたことはないのですが、ご本人が気になるということで、術後臭が存在すると仮定して、考えられる原因をいくつかピックアップしていきます。

(1)手術前には気がつかなかった、"臭い"を感じている。

わきがの臭いで気がつかなかった臭いです。わきがの臭いにマスクされていたために感じていなかった汗の臭いや皮脂の臭い、そして体臭を構成する臭いを感じているという状態です。

※ここで補足ですが、汗を出す腺には2つあり、脇にはいわゆるわきがの臭いの原因となるアポクリン腺以外に、水のような汗を出すエクリン腺、皮脂を分泌する皮脂腺などが存在します。
エクリン腺から出る汗は、一般的には無臭とされていますが、少量のアンモニアが含まれていますし、脇が常に湿った状態になることで皮脂をエサとした細菌が増殖して様々な臭いを放つ原因となります。

(2)角質や皮脂が詰まることによって生じる臭い。

わきが手術を行った後、手術部位の皮脂がつまりやすくなる場合があります。
皮脂や角質のつまりが原因でそれが臭いの原因となる可能性があります。
手術により 毛穴から皮脂が分泌されますが、手術により皮膚の状態の変化が起こった結果毛穴が詰まりやすくなり、毛穴に詰まってしまい、古い角質、汚れなどが皮脂と一緒に詰まってしまうと、詰まった部分が黒くぶつぶつしている様に見えたり、臭いを伴ったりする可能性があります。

(3)皮膚の表面にいる常在菌の変化によるもの。

アポクリン腺を手術で除去したことにより、アポクリン腺から分泌物されていたものを分解する菌も同時に減り、わきの下の皮膚の常在菌の構成比率が変化することで、体臭が変化する可能性があります。

(4)精神的な変化によるもの。

わきの臭いを気にされている方には、ずっと臭いに悩んでいたことにより、ほとんど臭いがなくなっても、まだあるのではないかと気にしてしまう方もいらっしゃいます。
患者様の中には強迫神経症のように、実際には臭わないものを臭うと思い込んでしまっている方もいらっしゃり、精神的な面で臭うと感じてしまっている方も過去に実際にいらっしゃいました。

まとめ

目には見えない臭い。
これをコンプレックに感じている方は意外にも多くいらっしゃいます。
わきがは、適切な手術や処置をすれば、日常生活を送る上で問題ないレベルに改善します。
しかし治療をする前に不安や疑問点は少しでも減らしておいた方が良いでしょう。
今回は術後臭について説明をしてきました。
術後臭は実際にあるのかどうかも、実はわかっていませんが、あるとしたら考えられるものを挙げてみました。
人それぞれにはいくらかの体臭があり、完全に無臭にすることがわきが治療の目的ではありません。
術後臭の現状を知り、安心して治療を受けていただけたらと願っています。

この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

ドクターブログトップへ

ドクターブログ一覧

ドクターブログ一覧へ

  • ブランドストーリー
  • 美容外科として
  • カウンセリング予約