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ドクターブログ

次世代Qスイッチレーザー (主にタトゥー除去)

2014年6月29日にサイノシュアー社の新製品ピコシュアのハンズオンセミナーに行ってきました。

ピコシュアの外観

このピコシュアは名実共に次世代Qスイッチレーザーと呼ばれる器械で、
ものすごいポテンシャルを秘めた製品です。
(ただし、そのものすごいポテンシャルを引き出すテクニックはこれからの研究次第)

弊院でもQスイッチレーザーは2台所有していますが、
この器械は何と言っても次世代Qスイッチレーザーなのです。

まずは、Qスイッチレーザーとは何かを説明いたしましょう。
Qスイッチとは、「Qスイッチ付き」の略で、
電気シャッターを用いて非常に強いレーザー光を超短時間照射する装置のことです。
このあたりは、レーザー工学の専門家でないとわかりにくいので、
要はQスイッチレーザーとは、
超短時間で超強力なレーザー光を照射する装置と理解しましょう。

レーザーを人体の組織、例えば皮膚に照射したときに、
そのレーザー光は人体の組織と反応して様々な効果を引き起こします。
この効果には有益なものも有害なもの含まれます。

例えば、タトゥーの除去をレーザーで行う場合、
現在の治療理論からはQスイッチレーザーを使用するわけですが、
レーザー光がタトゥーの色素と反応して色素を粉々に粉砕します。
この効果をphotomechanical effect(光機械的効果)と言います。
この効果は、タトゥーの色素を除去しようとしているのですから、
治療に有益な効果です。

一方、レーザー光がタトゥーの色素と反応すると熱が発生します。
この効果をphotothermal effect(光熱効果)と言います。
熱が発生すれば、場合によっては火傷になる可能性もあるわけですから、
この効果は(タトゥー除去治療にとっては)有害なものです。

また、タトゥーの除去を目的にレーザーを照射すると、
照射部位の皮膚は白っぽくなります。
この現象はimmediate whitening phenomenon(IWP)と呼ばれ、
レーザー光が色素と反応することで衝撃波が発生し、
これにより表皮と真皮との間に空泡が生じるためとされています。
この効果はphotoacoustic effect(光音響効果)と言います。

以上のようにレーザー光がターゲットと反応することで
生体には様々な効果が生じますが、
治療上、有益な効果を最大化し、有害な効果を最小化することで、
より良い治療となるわけです。

タトゥーの除去で言いますと、
有益な効果=色素の破壊
有害な効果=熱の発生
になります。

さて、前置きが長くなりましたが、
次世代Qスイッチレーザーは何が次世代かと言いますと、
その照射時間が従来のレーザーと比べると格段に短くなっている点です。

従来のQスイッチレーザーは、照射時間がナノ秒(10億分の1秒)単位でした。
ピコシュアはその名のとおりピコ秒(1兆分の1秒)単位です。
どちらも人間にとってみれば極めて短時間なのですが、
治療上、この差が大きいのです。

セミナーに参加した感じでは、
従来のQスイッチレーザー照射2回分に相当する効果が
1回の照射で得られるのではないかと思いました。
ですので治療効率が2倍ですね。

現在のところ、タトゥーの除去のみ有用性が検討されているようですが、
将来的にはもっと幅広い分野で応用されてくるのではないかと思います。

さて、ピコシュアは確かにタトゥーの除去に有用なレーザーなのですが、
現在のところこの器械を導入しているところは日本でも2施設のみとなっています。
(ちなみに弊院にはございません。)
理由はこの器械が異常に高いからです。

普通、レーザー1台の価格は、
ピンキリですが、だいたい高級外車1台分くらいです。
それに対してこのピコシュアはスーパーカー1台分くらい。

その高額な器械代は当然のごとく治療費用にも転嫁されます。

結局のところ、これまでのレーザー照射2回分に相当する効果を、
5回分の費用を払って行うとう感じになってしまいます。
実際にこの手の器械が普及し、
タトゥー除去を希望される方の利益となるのには、
まだまだ時間がかかりそうです。

しかし、次世代Qスイッチレーザーの登場により、
近い将来ほとんど全てのタトゥーはレーザーにより除去可能となることでしょう。
タトゥーの切除はどうしても急いで除去する必要がある場合のみになりそうです。

タトゥーのレーザー除去治療にご興味のある方はこちらをご参考ください。

監修医師

竹内 孝基 院長

エースクリニック名古屋院

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