ボトックス注射の意外な効果
今回はボトックスの意外な効果の話をします。
ボトックスが感情に影響するというと、どう思われるでしょうか?
心理学の世界には
「顔面フィードバック仮説」というのがあります。
これは、何らかの刺激により脳が「楽しい」と判断したら
顔の表情筋に笑顔を作るように指令が出されますが、
このときの表情筋の動きの情報が脳にフィードバックされることで
より「楽しい」という感情が起こるという仮説です。
つまり卵が先か、鶏が先かというようなもので、
感情が先か表情が先かという話ですね。
うれしいことや楽しいことがあると自然に笑顔になり、
腹が立つことがあれば怒った表情になりますね。
それとは逆に、笑顔を作るとうれしくなったり楽しくなったりし、
怒った表情を作ると腹が立つというように
表情が感情をコントロールするこも可能であるということです。
ということは、怒ったときなどにしかめっ面を作る皺眉筋(眉間の縦じわを作る筋肉)を
ボトックスにより麻痺させることで、
怒りの感情を遮断することができるのではないか?
この答えはイエスなのです。
詳細ははぶきますが、これは実験的にも確かめられています。
また、これと同じ理屈で
ボトックスがうつ病の症状を軽減する可能性も報告されています。
悲しい表情ができなくなるからですね。
いつも怒っている、いつも憂鬱そうにしている方は
眉間の縦じわにボトックスを注射するといいと思いますよ。
きっと気分が晴れやかになることでしょう。