寒天フィラー「Algensess」セミナー 2019.3.13
紅藻から作られる100%天然素材由来の次世代フィラー「Algeness(アルジェネス)」のセミナーに行ってきました。
寒天と同じアガロースゲルが成分です。
次世代フィラーのセミナーとあって、ヒアルロン酸等の既存のフィラー使用経験豊富な医師が多数集まりました。
講師の先生はAlgenessを多く使用しているヨルダンの形成外科医Dr.Kusaiでした。
このAlgeness、日本ではまだほとんど使用されていないと思いますが、
クサイ先生の話によるとヒアルロン酸に比べて全く劣る点がなく、多くの点で優れているため、
今はもうヒアルロン酸を使うのをやめてしまったほどだとか。
クサイ先生が消毒を行っています。先生のご指導の下、セミナーに参加した日本の医師が施術を行いました。
それほどまでにフィラーとして優れた性質を持つとのことですが、
一体どんな点がヒアルロン酸と比べて優れているのでしょうか?
以下、(クサイ先生の講義による)優れている点を列挙します。
(1) no allergy(アレルギーを起こさない。)
(2) less capsule(被膜を作らない。)
(3) no granuloma(肉芽腫ができない。)
(4) low inflammatory reaction(炎症反応が起きにくい。)
(5) 100% biocompatible(生体に馴染みやすい。)
(6) 100% biodegradable(完全に体内で分解される。18ヶ月後にはフィラーは全くなくなっていた!)
(7) less migration(移動性が少ない。)
(8) what you see is what you get(水を引かないがゆえに施術直後の見た目と仕上がりが一致する。)
(9) less embolization(塞栓を起こす可能性がより低い。)
(10) no mutagenicity and carcinogenicity(変異原性や発ガン性がない。ヒアルロン酸製剤に含まれる架橋剤BDDEに変異原性や発ガン性がある!)
ヒアルロン酸は長年使われてきたフィラーであり、その安全性はかなり高いと言えます。
しかし、クサイ先生によると、
それでもAlgenessに比べればヒアルロン酸は様々な点において劣っているフィラーなのだということでした。
1年くらい前からその存在は知っていましたが、
フィラーとしてヒアルロン酸がこれだけ普及してしまっている状況で、
大きな不満もなく使用しているので、
興味はあったものの診療に取り入れるまでにはいたっておりませんでした。
そして今回、Algeness診療の第一人者であるクサイ先生より、
ヒアルロン酸に比べてとても良い性質を持っている次世代フィラーであるということがわかりました。
Algeness使用のライセンスもいただきましたので、
まずは自分自身の顔に注入して試し、様子を見ながら診療に取り入れていきたいと思います。
フィラー治療ができる分野の全般的に適応できそうですが、特に隆鼻には良さそうです。
ヒアルロン酸だと注入後鼻筋が太くなりがちですが、Algenessはそういったことが起こらないからだそうです。
また、機会があればAlgenessの情報を提供していきますね。