薄いシミの治療
※このページは2016年1月15日に更新されました。
シミでお悩みの方は多いと思いますが、一口にシミと言っても色の濃いものもあれば薄いものもあります。一概に濃いシミだけが気になるというものではありません。特に女性の場合、たとえシミが薄かったとしても悩みの種と成り得ます。「色白は七難隠す」 という言葉の通り、シミ一つない透き通った肌はそれだけでその人を美しく輝かせます。それがわかっているからこそ美意識の高い人はたとえ薄いシミであったとしても許せないでしょう。
では実際に薄いシミを治療しようと思ったとき、どうしたら良いのでしょうか?結論から申し上げますと、色の薄いシミの治療は可能であるが、実は一筋縄ではいかないということです。それはなぜでしょうか?
コンテンツ
薄いシミ治療の問題点
薄いシミの治療を希望される方のほとんどは色白の方です。これは元々色白の方は美意識が高い方が多いという点、色黒だとぱっと見シミが目立ちにくい点が理由かと思います。シミとは周囲の皮膚よりもメラニンが増加した状態のことですが、色白の人の薄いシミというのは、もともとがメラニンの絶対量が少ないです。この少ないメラニンにレーザーを反応させていかなければならないという問題があります。
少ないメラニンに反応するレーザーにはピコ秒レーザーやナノ秒レーザーがあります。薄いシミに対してIPL(フォト治療)やレーザーフェイシャルなどをすすめる施設もあるかもしれませんが、これらはミリ秒系機器なので、ダウンタイムもない代わりに、毒にも薬にもならないでしょう。IPLの仕組み上、パルス幅が長いためピークパワを上げられず、メラニン濃度の低い薄いシミに反応させることは極めて難しいからです。
シミ治療の難敵 色素沈着
では、話を元に戻しますが、ピコ秒レーザーやナノ秒レーザーを使えば治療がすんなりいくかと言うとそうとは限りません。これらのようなハイパワーレーザーにつきまとう問題として、炎症後色素沈着(PIH)があります。これはレーザー光線が皮膚を刺激することによって反応性にメラニン濃度が一時的に増す状態です。すりむいたりしてケガをすると、しばらくその部分の皮膚が一時的に茶色くなりますね。それが炎症後色素沈着と呼ばれる現象です。一時的と言っても、一旦出ると消失するまでには通常半年くらいかかり、短期間では引きませんので嫌な問題です。
そしてこの色素沈着はレーザーを照射してから1~2週間後に約30%の人に生じます。この色素沈着は俗に戻りジミと言ったりしますが、言葉通りまたシミが復活してしまったように見えます。約半年くらいすると、色素沈着も落ち着いてくるのでそれを待ってもらうわけですが、元々のシミが薄い場合、この色素沈着が元のシミよりも濃く出てしまうことが往々にしてあります。いずれは引くにせよ、元のシミより濃く見える状態を歓迎する方はいないでしょう。でも薄いシミの治療をしたいと思った場合は、このようなことが起こり得るということは覚悟していただかないといけないわけです。そこが薄いシミ治療の難しいところと言えると思います。
薄いシミを治療する場合の条件
経験上、肝斑など他の種類のシミがなく、ベースがかなり色白の場合、一旦は色素沈着が出ても比較的短期間で引き、その後はきれいになる方が多いと思います。逆に、肝斑などのシミがある場合は、色素沈着も強めに出て引くのにも時間を必要とすることが多いです。そのためエースクリニックで薄いシミに対してピコ秒レーザーやナノ秒レーザーを使用する場合、「肝斑なし」、「色白」、「色素沈着に対して理解が得られている」、を治療条件にしています。
まとめ
薄いシミであっても治療は可能です。しかし、濃いシミと比べると一筋縄でいかない部分もあり、その治療には理解が得られているということが重要なポイントになります。もし、薄いシミでお悩みという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。