ウルセラの麻酔
「ウルセラに興味があるけれど、痛そうで二の足を踏んでしまう。」という方がたまにいらっしゃいます。
確かにウルセラが登場したときは、これまでのたるみ系施術の中ではダントツで痛いという触れ込みでした。
でも実際に施術を行ってみると、実はそうでもなかったんです。
むしろサーマクールの方が痛いとおっしゃる方の方が圧倒的に多いんです。
私も試しにウルセラを受けてみましたが、もちろん痛みゼロではなかったですが、こんなもんかという程度の痛みでした。
ただ、ウルセラを導入した当初は、人によっては痛みの強い施術かもしれないと思い、色々な麻酔方法を試してみました。
冷却麻酔、表面麻酔、静脈麻酔などをこれまでに試しています。
いろいろ試した結果、現在は麻酔クリームによる表面麻酔に落ち着いています。
以下、それぞれの麻酔方法について個人的な見解を説明します。
(1)表面麻酔
高濃度の麻酔クリームを皮膚表面に塗布する方法です。
麻酔を塗布したらラップで覆い、約30分放置し麻酔を吸収させます。
ウルセラは筋膜層を点状に熱凝固させるので、筋膜の痛みが表面麻酔で軽減するのか、当初はかなり疑問でした。
というのは筋膜層は深いので、そこまで麻酔薬が到達できないからです。
実際にウルセラに表面麻酔をしても無意味だと豪語してはばからない医師もいらっしゃるようです。
でも、表面麻酔がウルセラの痛みを軽減するのはまぎれもない事実です。
日々ウルセラを照射していますが、この方法で充分に痛みは軽減されており、問題なく施術可能です。
そのため、現在当院においてのウルセラの標準的な麻酔としています。
(2)冷却麻酔
ウルセラを照射する直前に照射部位をアイシングする方法です。
特殊な器具を使わずともアイスパックなどでできる方法ですが、当院ではデリーという特別な冷却装置を用いて行います。
ウルセラ治療を開始した当初はこの方法を採用しておりました。
確かに痛みはかなり軽減されるようです。
しかし、ウルセラは基本的に熱を入れていく施術なので、その直前に冷却すると熱の入りが悪いのではないかという疑問がどうしても消えませんでした。
熱の入りが悪いと結局は効果が損なわれてしまうのではないかと思われたのです。
これに関しては、冷却しても効果は変わらないという意見もあります。
個人的には冷却すると到達温度が低くなる可能性があり、その結果若干効果が落ちそうな気がします。
また、表面麻酔で充分用は足りるということもあり、現在では冷却麻酔をルーチンでは行っていません。
(3)静脈麻酔
点滴の管から眠たくなる薬を注射して、眠った状態で行う方法です。
当院でもたまに希望される方がいらっしゃるので行うことがありますが、その場合も表面麻酔と併用しています。
静脈麻酔をかけると眠ってしまいますが、あくまで眠っているだけであって痛みを感じなくなっているわけではありません。
眠っている間であっても針で刺されたら痛いですよね?
静脈麻酔下にウルセラを行ってもそれと同じことになります。
眠っているだけであって痛いのです。
その上、痛みの刺激で体が動いてしまったりすると、ウルセラのトランスデューサーが浮いてしまい危険です。
例えば、3mmの深さに熱が入るトランスデューサーを使用しているときに動いてしまった場合、皮膚の表面から3mm浮いてしまうと皮膚の表面に熱が入ってしまい火傷を作ってしまいます。
そのようなリスクをどう捉えるかによって意見は変わってくるかと思いますが、個人的にはウルセラに静脈麻酔はやや大げさかなと思います。
表面麻酔程度の気楽な手段でささっと施術を終わらせたい、ウルセラはそいうイメージの施術です。
(4)局所麻酔(浸潤麻酔、伝達麻酔)
注射用麻酔薬を使う方法です。
もしウルセラで痛いと思う場所があるとすれば、頬骨やあごの骨の上のあたり、あるいは額といったところかと思います。
この部位の痛みをなくすためにエラの部分や頬骨のあたりの骨膜上に浸潤麻酔を行ったり、眉頭の下あたりに伝達麻酔(眼窩上神経ブロック)を行ってみるのも良いかと思います。
ただし、何度も言いますが、表面麻酔で充分なのであえて注射の麻酔を行う必要をあまり感じません。
以上、簡単に各麻酔方法を説明しましたが、当院でルーチンで行っているのは表面麻酔です。
これで充分痛みは軽減されますので、どうぞ安心して施術を受けにいらしてください。