精密・正確な注入施術を目指して~自動注入器「ハイジェッタ(HAiJeta)」
ヒアルロン酸注射やベビーコラーゲン注射、ボトックス注射など、注入系施術は毎日はおろか1時間に1件はこなすほどにヘビーローテーションな施術です。
そしてそれだけ需要の多い施術というのは、テクニックの進化もまた日進月歩なわけです。仕上がりがキレイというのはもちろんですが、注入系施術は針を皮膚に刺しますので、その痛みを極力抑えたいというのは施術者としての切なる思いです。
痛みを抑えるための技術的なポイントはいくつかありますが、その中で最もインパクトのある要素が針の細さです。普通に考えても針は細ければ細いほど刺入時の痛みは少ないように想像できますが、その直感はまったく正しいです。
手に入れることができる最も細い針は長らくの間33Gでしたが、ここ最近35Gの針が入手できるようになりました。
極細の針が使用できるようになることは、施術に伴う痛みを減らすことにつながるのでwelcomeなのですが、施術する側としては同時に困ったことも生じてきます。それは、針が細くなればなるほど注入には高い圧力が必要になるということです。高い圧力をかけるにはシリンジのプッシャーを強く押し込まなければなりません。しかし、強い力を入れなければならない状況下では繊細な量の調節などが行いにくくなります。特に極細の針を使用するような状況はもっぱら目の周囲などの皮膚の薄い場所が多く、こういった部位はより繊細に注入量を調節する必要があります。こういう人間工学的に相反する操作が必要な場合には、潔く文明の利器の力を借りるに限ります。いくら人間が熟練したとしても限界もあり、器械のように正確には注入できないのですから。
そこで登場するのが自動注入器「ハイジェッタ(HAiJeta)」です。
ハイジェッタは横についているボタンを押すとセットされているシリンジを押し出していきます。この器械には、定量モード(一定量の注入)と連続モード(一定スピードの注入)の2つのモードがあります。どのモードを使うかは使用する医師の好みかと思いますが、私はもっぱら連続モード1ml/40secを使用しています。40秒間に1mlの速度で注入することができます。ということは1秒間に0.025ml、実際はもっと細かい時間で注入するので、だいたい0.01ml程度ずつ注入することができます。さらにより微細なスピードに設定することも可能です。
針が細くなればなるほど、人間の手の感覚のみで注入を行っていると、微妙な量を注入したつもりでも実は注入できていないことがあります。ではと少し強めに押し込むと思いのほか多量のヒアルロン酸が注入されてしまうこともあります。このような微量の注入の調整はいくら人間が熟練したとしても器械の正確さにはかないませんので、器械に任せてしまった方が良いです。その代わり、どこにどれ位の量を注入するかという判断やどのようなヒアルロン酸製剤を選択するかということは器械が判断してくれませんので、ここは医師の知識と経験を総動員します。
現時点では、上記のような細い針を使って非常に細かく注入量を調整する必要がある部位というのは必然的に目の周りになってくるので、目周りの注射で極力精密な注射を希望される方や内出血を極力避けたい方はハイジェッタ(と35Gエンジェルニードル)を検討されると良いでしょう。もちろん他の部位でもハイジェッタを使って欲しいというご要望があれば遠慮なくご相談ください。