ワキの臭いってどんな臭い?
※このページは2019年6月21日に更新されました。
暑い夏がやってきました。
温暖化の影響か、最近では盛夏になると気温が35度を超えて40度近くまで上昇することも少なくありません。
しかも湿度も上昇しているとあっては、体にも大きな負担がかかります。
そうなると、気になるのは汗です。
普通の人でも汗をかくこのシーズン、脇が臭うわきが体質を持っていたりするとよけい気になります。
「後ろをみなくても○○さんが部屋にはいってきたことがわかるよ」なんていわれると、嫌ですよね。
そこで、今回は、汗をかく仕組みと、わきがについて考えてみましょう。
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種類の異なる汗をかくエクリン汗腺とアポクリン汗腺
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汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。
エクリン汗腺は体中にどこにでもあり、汗を出して体温を下げるという重要な役割を果たします。
一方、アポクリン汗腺はワキの下や乳輪のまわり、陰部など限られたところにのみあり、
アポクリン腺からの汗はわきがと呼ばれる特有の臭いの原因となります。
もともとわきが臭は動物でいえばフェロモンの一種であり、欧米人では9割の人が持っているといわれます。
アポクリン腺の発達には性ホルモンの影響がありますので、第二次性徴期である10代初め以降になってから症状が現れてきます。
わきが特有の臭いはそもそもどこから来ているのか?
アポクリン汗腺から出る汗にはたんぱく質や脂質が豊富に含まれていますが、それ自体は無臭です。
しかし、その汗が皮膚常在菌によって脂肪酸や揮発性硫黄化合物などに分解され、
さまざまな臭いをもつようになるのです。
皮膚常在菌とはその名の通り皮膚の上にいる微生物のことで、200種類以上の存在が認められています。
わきがの臭いには、タマネギの腐ったような臭い、雑巾のような臭い、スパイスのような臭い、鉛筆の芯のような臭いなどと表現されるようなさまざまな臭いがあります。
発生する物質の種類やバランスが人によって異なるため、当然ながら臭いにも個人差が出てくるわけです。
どの臭いがなぜ生じるかという専門的な分析も進み、メカニズムも明らかになってきており、
どのような物質がどんな臭いの原因になっているのかがわかるようになってきました。
例えば、スパイス様の臭いの原因としては3-ヒドロキシ-3-メチルへキサン酸という物質が、
タマネギの腐ったような臭いの原因としては3-メチル-3-スルファニルヘキサノールという物質が
同定されています。
これらの臭い物質の解明に加え、臭いになる前の物質(前躯体)がどういう物質であるかも、
部分的に突き止められています。
エクリン汗腺から出る汗も細菌の分解によって臭いを発する。
エクリン汗腺から出る汗は99%が水分で、残りは塩分を中心としたミネラルです。
汗をなめるとしょっぱく感じたり、服が白くなったりするのはそのためです。
エクリン汗腺の汗もそれ自体は無臭ですが、そのままにしておくとやはり臭いがでます。
汗が皮膚の表面でアカや皮脂などと混じり合い、それを細菌が分解するためです。
酸っぱい臭いとか、生乾きの洗濯物のような臭いなどと形容されることがよくあります。
まとめ
ワキの臭いにもアポクリン腺からくるわきが特有の汗の臭いと、
エクリン腺からくる汗の臭いの両方があります。
わきが特有の臭いとしては特に、
タマネギの腐ったような臭い、雑巾のような臭い、スパイスのような臭い、鉛筆の芯のような臭いといった表現がされることが多く、
ワキからこういった臭いがあるということであればワキガ体質であると言えます。
臭いの種類によっても治療の方法は変わってきますので、
いわゆるワキガの臭いか、単に汗の臭いが気になっているのか
によっても治療法が変わってきますので、
気になる方は一度カウンセリングにお越しいただければと思います。