ドクターブログ | 医療法人一美会エースクリニック

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裏ハムラ法と脱脂CRF法の違い、メリット・デメリットや適応について

下まぶたの脂肪を切除するだけの手術について

エースクリニックでは、下まぶたのクマ治療を多く行っておりますが、単純に下まぶたの脂肪を切除するだけの手術(下瞼脱脂術)を行うことはまずありません。

エースクリニックのクマ治療

下まぶたの脂肪を下方に移動させる方法(表ハムラ法と裏ハムラ法)か下まぶたの脂肪を切除してしまい太ももやおなかなどの部位から採取した脂肪をその下方に注入する方法(脱脂CRF法)を行うケースがほとんどです。

脂肪を切り離さずに移動させるか、脂肪を取って入れるかという違いがありますが、脂肪のボリュームをある部分では減らし他のある部分では増やすというコンセプトは共通です。

クマの治療について

今回の記事では手術方法をどのように使い分けているのかという点を解説したいと思います。まず、表ハムラ法と裏ハムラ法の違いについては別の記事で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。

老化に伴い下眼瞼は(1)眼窩脂肪のふくらみ(2)瞼頬溝のへこみが顕著になってきます。老化と言いましたが、構造上若い頃からふくらみやへこみが目立つという方も珍しくはありません。実際に目の下のクマ手術を受ける方は20代の方も比較的多くいらっしゃいます。若い頃からクマが目立つという方は、残念ながら加齢によりさらに激しくなります。深いクマは見た目上、何ら良い印象を与えないため、個人的には早めに治療した方が良いと思っています。

クマは、(1)眼窩脂肪のふくらみと(2)瞼頬溝のへこみを同時に改善することで若返らせることができます。具体的には、ふくらんでいる場所のボリュームを減らし、へこんでいる場所のボリュームを増やすことができれば、陰クマは改善されます。

エースクリニックでは主に裏ハムラ法脱脂CRF法を行っており、この2つの方法を症例によって使い分けています。

裏ハムラ法と脱脂CRF法の違い

裏ハムラ法と脱脂CRF法の最大の違いは、ふくらんでいる脂肪(眼窩脂肪)の処理の仕方です。

裏ハムラ法は眼窩脂肪を切り離さずに血管がついた状態の脂肪弁として下方に移動固定します。一方、脱脂CRF法では眼窩脂肪は切除し、太ももやおなかなどの脂肪を採取した脂肪を精製した上でへこんでいる部分に注入します。

脱脂CRF法で注入した脂肪は最初のうちは血液の供給がありません。注入脂肪は周囲の生きた細胞との間でやり取りをし、生き残っていくものもあれば死んで吸収されてしまうものもあります。最終的に注入した脂肪がどれくらい生き残って定着するかは、実際にやってみなければわからないため、人によってはかなり吸収されてしまってあまり残らないというケースも中にはどうしても出てきます。そこが脱脂CRF法の最大の欠点です。

その点、裏ハムラ法は血管のある脂肪弁として切り離さずに移動しているため、脂肪が吸収されて減ってしまうということは起こりにくいです。そこが裏ハムラ法の利点となります。

ただし男性の場合、女性と比べると注入した脂肪の定着があまり良くない傾向にあります。そのためエースクリニックでは男性に脱脂CRF法をおすすめすることは少ないです。


※裏ハムラ法の症例になります。

逆に、脱脂CRF法が優れている点もあります。脂肪をたくさん注入できる点と、広範囲に注入できる点です。

裏ハムラ法の場合、切り離さずに眼窩脂肪を上から下に持っていくという方法上、ふくらんでいる分量しか脂肪を移動できません。ない袖は振れないからです。また、あまり遠くへも移動させることができません。そのため、ふくらみに対してへこんでいる量がずっと上回っているケースやへこみが広範囲にへこんでいるようなケースには裏ハムラ法を適用できないことになります。そのため、大量の脂肪を広範囲に必要とする場合、脱脂CRF法の方が良いことが多いです。ただし、このような場合であっても、先ほど解説したように男性の場合は脂肪の定着不良も考慮に入れ、裏ハムラ法を行い、術後に必要があればさらにヒアルロン酸注入などを追加する選択をします。

長くなりましたので、以下に裏ハムラ法、脱脂CRF法のメリット、デメリットをまとめます。

施術方法 裏ハムラ法 脱脂CRF法
メリット 移動させた脂肪が減ることがないため、結果が長期に安定している。 かなりへこみが強く広範囲の場合にも対応できる。
デメリット 眼窩脂肪の量により移動できる脂肪量が制限される。
あまり遠くへは移動できない。眼窩外側のへこみにも対応できない。
脂肪が最終的にどれくらい定着するかがわからないため、結果的にかなり減ってしまうことがある。

上記のメリット、デメリットを踏まえて、エースクリニックでの手術適応は以下としています。

エースクリニックが考える裏ハムラ法と脱脂CRF法の適応

・裏ハムラ法
 へこみが限局的な若い方、主に40代前半以下の方に適している。

・脱脂CRF法
 へこみが広範囲で強く出てくる、主に40代後半~50代の方に適している。

※男性の場合はへこみが広範囲で強くても、まずは裏ハムラ法をおすすめすることが多いです。

監修医師

竹内 孝基 医師

エースクリニック理事長

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