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リポットレーザーの実力は?

リポットレーザーブログ-FV

近年、SNSで大流行している「シミの消しゴムレーザー」の愛称で知られるリポットレーザー。当院では、シミがペロッと取れるレーザーから、勝手に「シミペロレーザー」と名付けています。しかし、動画や口コミを見ていると、さまざまな意見が医師の間で飛び交っているようです。正直なところ、私はいつも疑問に思うことがあります。使ったことのないレーザーについて、どうしてあれこれ言えるのでしょうか?

もちろん、過去に同様のレーザーを使用した経験があれば、ある程度の類推は可能です。しかし、それはあくまでも推測の範囲です。本来なら、「こういう特徴があるから、こうではないかと推測します」と言うべきところを、「これは絶対にやってはいけない!」などと煽るように断言しているケースが見受けられます。こうした表現は誤解を招く恐れがあり、慎むべきだと考えています。

リポットレーザーの技術的な特徴

さて、本題に入りましょう。リポットレーザーの核心技術は、ナノ秒532nmレーザーの使用にあります。この技術自体は目新しいものではありませんが、リポットレーザーが特別視される理由は、ハイパワー照射を可能にする技術を搭載している点です。この技術は「VSLSシステム」と呼ばれ、次の2つの革新的な要素で構成されています。

超低温化技術

リポットレーザークーリング

VSLSシステムの第一の要素は、皮膚表面をマイナス10℃から0℃に冷却する技術です。この接触冷却により、レーザー照射による熱ダメージから皮膚を守り、超ハイパワーなレーザー照射を可能にします。

さらに、皮膚が極低温になることで、血管が収縮し、ヘモグロビンへの反応が抑えられます。532nmの波長は、メラニンだけでなくヘモグロビンにも高い吸光率を持つため、従来のレーザーでは炎症後色素沈着や内出血のリスクがありました。この冷却技術により、こうした副反応を抑えることができます。

均一照射技術

リポットレーザー画像解析

リポットレーザーのもう一つの革新は、自動画像処理による均一照射です。治療前にシミのある部位を白丸でマーキングしますが、レーザーの照射自体は機械が自動でシミの位置を認識し、正確に照射します。

従来の人間の目による照射では、どうしても照射漏れや重なりが発生しがちでした。しかし、リポットレーザーはこうした問題を解決し、均一な照射が可能になりました。結果として、シミがムラなくキレイに取れるようになります。

従来のレーザーとの違い

これらの技術により、リポットレーザーは従来のナノ秒レーザー(Qスイッチレーザー)やピコ秒レーザーと比較して、次のような利点があります。

  • ハイパワーでの照射が可能だから、1回の施術でシミが取れる可能性が高い
  • 皮膚がしっかりと保護されるため、色素沈着のリスクが低い
  • 従来のレーザーでは、1回の照射でシミを完全に取るのは難しく、複数回の治療が必要となるケースが多かったです。また、治療後の色素沈着も一般的なリスクとして認識されていました。リポットレーザーは、こうした問題を大幅に改善し、1回の施術で高い効果を得られる点が大きな特徴です。

    実際に使用してみた感想

    シミペロレーザー

    では、実際にリポットレーザーを使用してみた感想をお伝えしましょう。私の経験では、ほとんどのケースで1回の施術でシミを取り切ることができ、色素沈着の発生率も非常に低い(体感的には5%程度)と感じています。

    これまで、シミ治療において反応性の良さや治療の切れ味で評価が高かったのはQスイッチルビーレーザーです。当院でも使用していますが、このレーザーはメラニンへの反応性が高い反面、治療後の色素沈着が出やすいという課題がありました。

    リポットレーザーは、この課題をクリアしており、多くの場合、色素沈着がほとんど生じない、仮に生じたとしてもその程度が軽度に抑えられる点が非常に優れています。

    まとめ

    リポットレーザーは、従来のシミ治療レーザーとは一線を画すポテンシャルを持つ革新的なデバイスです。ハイパワーな照射が可能でありながら、皮膚に優しく、副反応が少ないため、1回の治療でシミをしっかりと除去できる可能性が高いです。

    シミ治療はこれまで複数回の治療が必要なことが多く、色素沈着のリスクも高いものでした。しかし、リポットレーザーはこれらの課題を克服し、シミ治療のハードルを大幅に下げたと言えるでしょう。

    もし、リポットレーザーによるシミ治療に興味がある方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。リポットレーザーの実力を、ぜひご自身の肌で実感していただければと思います。

    監修医師

    竹内 孝基 医師

    エースクリニック理事長

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